グリーンランドのワイルドライフ! ー Polarbear 北極グマ編ー

真っ白な氷と雪の中で目を凝らして北極グマを探そう！

グリーンランドの大地、氷床では、手つかずの自然がほぼ残っているのですが、そんな大自然の中にはさぞかし野生動物もたくさんいるのだろうと思うでしょうが、陸上で生きる哺乳類に限って言うと実はそんなに居ないのです。今回ご紹介するのはその中でも大きな大きな、北極グマです。白一色の中で、さて、どうやって見つけ出せばよいでしょうか？

実は見つけやすい、北極グマの毛の色

一体、真っ白なグリーンランドで、どうやって見つけたらいいのか、途方に暮れそうですが、実は、北極グマの毛の色は白じゃないってご存知でしたか？　まずは、北極グマの外見的な特徴からお伝えしましょう。まずは、大きな体。陸上で最も大きな肉食動物だともいわれています。そして小さな首とそれに反して大きな手足。この小さな首は泳ぐときに水の抵抗をなくすため、大きな手足は、重たい体重をうまく四足に分散させるためだそうです。そしていよいよ、毛の色ですが、実は透明なんです！　驚きですね！
透明の毛の下は、鼻や、手足の先と同様の黒い色をしているそうです。この透明の毛ですが、中が空洞で透き通っているそうで、その空洞を光が散乱して白く見えているそうなんです。しかも、雪や周りの風景のように真っ白ではなく、オフホワイトだそうで、これは意外に見つけやすいと言えそうですね。

北極グマは、海から探せ！

グリーンランドには数多くのツアーがありますが、野生動物に会えるツアーというのはかなりメインイベントと言えます。ただ、相手も生き物ですから、常に動いています。獲物を探してあちこち動いたり、巨大な氷塊が流れていくこともあるでしょう。そして、陸上で雪の中を、氷床の上を移動しながら探すのはとても難しいです。
なぜかって？　それは、獲物の習性でもあります。一番の獲物のアザラシは海の中で主に暮らす哺乳類。というわけで、ツアーの中でも、クルーズツアーを選ぶと、北極グマに会える確率が増えそうです。

グリーンランドの人々と北極グマの関係

氷の中で暮らす、グリーンランドの人々にとって、北極グマは食糧でもあり、命の脅威でもありました。今では、絶滅危惧種に指定されている北極グマは、現在、狩りをするのにも規制があります。狩りができるのはイヌイットの専業ハンターとして生きている者のみにしか権利は与えられません。そして狩りによって北極グマを仕留めた場合は、その全てを余すところなく利用するそうです。

例えば、もちろん肉は食糧に、頭蓋骨はトロフィーとして、爪はアクセサリーなどに、そして毛皮は、大事な防寒具として利用されています。命を大事に頂くという事ですね。

北極グマは名ハンター！

北極グマを見られると謳っているツアーはたくさんありますが、狩りをしているところを見られたら、とても大興奮ですよね！　こればかりはタイミングですが、狩りの仕方を予習していくのも楽しみの一つです。
ホッキョクグマは流氷の上で生活しているので、氷の流れと共に移動し、アザラシや狩りに丁度良い氷の状態の場所を探します。主な獲物は北極アザラシの中で最も多いワモンアザラシだそうです。さて、どうやって狩りをするかというと。アザラシは海中でも生活していますが、哺乳類ですから、呼吸も必要です。その時の為に、爪を使って氷の中に呼吸する穴を作るんだそうです。その穴にアザラシが呼吸したところを狙って捕まえるという事です。そして、北極グマはその穴を見つけて、周りの雪を払いのけ、待機します。そして、アザラシが水面に上がって来たところを、大きな前足の一撃で氷を割ってアザラシを殺してしまうそうです。北極グマの名ハンターぶり、是非見てみたいですね。

環境汚染と戦う、北極グマ

北極グマは絶滅危惧種に認定されたことから、狩猟が制限されているとお伝えしましたが、実は絶滅の危機は狩猟だけではないのです。地球規模の問題にもなっている、環境汚染。様々な自然環境に影響を与えていますが、北極グマも同じことです。最近になって、専門家たちが各地に生息する北極グマたち個体検査を開始したそうですが、体内から残留有機汚染物質が高濃度で発見されることも少なくないという研究結果が出ています。また、地球温暖化により流氷が溶けていることは、北極グマの生息する場所を失っているという事にもなります。この豊かな自然、この貴重な動物の為に私たちが出来ることを考えていかないといけないですね。