グリーンランドには、人々を魅了するたくさんの絶景や物、暮らしがあります。
雪原を走る犬ぞり、天を舞うオーロラ、かつて見たことのない大迫力のフィヨルド・・・・・・、そして、グリーンランドに暮らすイヌイットという存在も、グリーンランドを語る際には欠かせません。
みなさんもきっと、「イヌイット」という言葉は聞いたことがあるはず。でも、その暮らし方や生き方を目にする機会はなかなかないのではないでしょうか。
グリーンランドは、そんな彼らが多く暮らす土地でもあります。
そもそもイヌイットとはどんな人々のことを言うのか、そしてその歴史は?
更に、ほぼ野菜は食べない食生活なのに、心筋梗塞や動脈硬化が圧倒的に少ないその秘密とは。
本日はイヌイットの基本的な部分、次回はイヌイットの食生活に隠れた、驚くべき秘密をお伝え致します。
【イヌイットとは】
まず始めは、ここでしょう。そもそもイヌイットって、どんな人々を指すのでしょうか。防寒具をまとった姿はすぐにイメージできても、いざ説明するとなると・・・・・・。では参りましょう。
イヌイットとは、極北などの氷雪地帯に住む先住民族のエスキモー系諸民族の1つ。
イヌイットと同じくらい耳にする「エスキモー」という言葉は、もともと「かんじきの網を編む」という意味なのですが、これを東カナダに住むクリー人の言葉では「生肉を食べる者」という誤った意味で解釈された歴史があります。
遠く離れた私達も、社会の授業では「エスキモー」は差別用語、今は「イヌイット」と呼びますと教えられたことを思いだしました。
実際の意味とは全く違った意味で世界中に広まってしまったのは、当人たちはさぞ残念な思いや辛い体験をされたのではないでしょうか。
グリーンランドとカナダの「イヌイット」は自分たちを「エスキモー」と呼ばれることを拒否しています。その為、公の場で「エスキモー」と呼ばれることはなく、「イヌイット」で定着しています。
【日本人に似ている?】
イヌイットの写真を見ると、「あれ?なんだかこの顔の造り、日本人に似ているような。」と思うことがしばしば。
それもそのはず、イヌイットは日本人と同じ「モンゴロイド」が祖先と言われ、風貌などがとてもよく似ているのです。
遠く離れた極北の地に、私達とよく似た人々が暮らしているって、少し不思議な感覚ですね。
【深まる謎、歴史のロマン】
従来、エスキモーはネイティブアメリカンの子孫と考えられていました。しかし近年、彼らはネイティブアメリカンではなく、移動してきたのではないかという新説が発表されたのです。この説はコペンハーゲン大学古代遺伝学研究所のトム・ギルバート氏率いる研究チームから発表されました。それを明らかにしたのは、グリーンランド北西部の永久凍土から発見された約4000年前の男性の毛髪。この毛髪をDNA分析した結果、古代エスキモーはシベリアから来たことが分かったのだそう。更にこの最初のエスキモーは、現在グリーンランドに住むイヌイットの祖先でもないのだとか!歴史の謎はまだまだ解明されていないことが多そうですね。
【イヌイットの食生活】
同じイヌイットでも、住む場所によってその食生活は様々。
グリーンランドに住むイヌイットの食事は、主にアザラシなどの海獣を主食とした肉食の生活です。
かなりの脂質を摂っているはずですが、グリーンランドのイヌイットは、極端に糖尿病や心筋梗塞、動脈硬化が少ないという研究結果が明らかになっているのです。
その理由を知った時、「そんなうまいことが!!」と驚いてしまったことはここだけの話。
次回は、「知られざるイヌイットの食生活の秘密」をお届けします!!
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