3つめの世界遺産が登録され、ますます目が離せないグリーンランド!

グリーンランド3つめの世界遺産

既に2つの世界遺産が登録されているグリーンランドですが、この度、第42回世界遺産委員会にて3つめの世界遺産が登録されました。世界文化遺産として登録されたのは「Aasivissuit-Nipisat, Inuit Hunting Ground between Ice and Sea」。デンマーク領である西グリーンランドの中心部、北極圏ケカッタに残る文化的景観です。

二つの文化の融合

『Aasivissuit-Nipisat(アシヴィスイット-ニピサット)』はグリーンランドの先住民イヌイットが狩猟をしてきた広大な大地で、約4,000k㎡もの広さがあり、また4,500年もの歴史がある地域です。4,000k㎡ってちょっとピンときませんが、軽く東京都2つ分ぐらいなんです。さらに4,500年という歴史。これも日本より2,000年以上の古い歴史があるという事。どれだけスケールが大きい話か少し実感して頂けたのではないでしょうか。この地域はグリーンランドの中でも緑の多い地区であり、デイビス海峡の海岸からグリーンランドの氷床までの広い範囲となります。またこの地域は、ヨーロッパからの移り住んだ住民達の文化と、先住民イヌイットの文化が共存し、二つの文化が融合した場所でもあります。先史時代のキャンプ場、遺跡、などの先史時代の人々の暮らしと、移住者の生活が混ざり合いながら発展していく様子を、遺跡や景観から見ることができます。

自然と動物


何千年もの間、グリーンランドの人々は、地元で入手可能な資源を活用し、ライフスタイルを季節ごとに適応させていました。今でいう、地産地消ですね。厳しい自然環境を持つグリーンランドの中で、『Aasivissuit-Nipisat(アシヴィスイット-ニピサット)』は、人々が生活していくのに適した場所であったと言えます。ここで狩猟される動物は、北極ウサギ、ポロキツネ、カリブーなどの哺乳動物です。カリブーは、この地域で9万匹と推定されるトナカイの一種であり、貴重な動物なのですが、その美味しい肉と柔らかい毛皮のために常に狩猟されています。また、グリーンランド特有の哺乳動物と呼ばれるジャコウウシは、1962年にカンゲルルスアクの南に導入され、以来、その数は現在までに10,000頭に増加しました。


『Aasivissuit-Nipisat(アシヴィスイット-ニピサット)』の土地の80%強は、豊かな緑に覆われていますが、残りは裸の岩や土でできています。植物は膝の高さより上に成長しないので、そこに残された文化的風景は見渡しやすく、分かりやすくなっています。植物の半分は、背の低い潅木で構成されていて、この灌木や植物のおかげでこの地域に生息する鳥たちにとっても、暮らしやすい環境なのです。夏には、小さな鳥が多く見られ、小鳥たちのさえずりはどこにいても聞こえるほど。淡水魚や鳥たちは多くの池、湖や沼で見かけることができ、仔牛も自由に散歩しています。

世界遺産を見に行こう!


豊かな手つかずの自然が多いグリーンランドに、さらに見どころのポイントができましたね。空港があるシシミウトからはフィヨルド沿いをクルーズしながら、この見どころたっぷりの世界遺産を見ることも出来るそうです。
圧倒的な大自然の中に身を置いて、4,500年もの歴史と、受け継がれてきた文化に思いを馳せると、人生観が変わってしまうかもしれないですね!

mayu
旅好き。飛行機大好き。海大好き。 食べ物が美味しかったところにはまた行きたい!!みなさんが家を飛び出し、旅にでたくなるような記事を作って行きたいと思います。