水族館でもよくみる、セイウチ。「アザラシと間違えないでね!」
水族館へ行くと、大人気のコーナーは海獣ショーですよね。イルカやアザラシ、オットセイ、アシカ、そして今回紹介するセイウチ。その大きな体格から、動きももったりとしていて、なんだか呑気なイメージです。そして大きな牙も特徴なのですが、なぜか凶暴なイメージはあまりありませんね。では実際のところ、セイウチってどんな生態なのでしょうか? グリーンランドではどこでセイウチに会えるのでしょうか? 詳しく見ていきましょう。
グリーンランドの中で見ることのできる、セイウチ。実はなかなか、レアなのです。
セイウチは、グリーンランドでも東や北側よりで良く見られます。氷上でのんびりしたり、中には海岸まで上がってくることもあります。ただ、西側ではあまり見ることが出来ないそうなので、実はグリーンランドでセイウチに会えるという事は、レアな体験として自慢できることかもしれませんね。
外見的な特徴は、大きさと長い牙
セイウチと言えば、ずんぐりむっくりなあの外見が特徴ですよね。実は生まれたばかりの子供でも、その体重は50kgほどあるというのですから、大人のセイウチがあれだけ大きくなることにも納得です。あの大きな体はとても厚い脂肪で覆われていて、その厚みは10cm! 北極グマの爪や牙でも脂肪に阻まれてセイウチに致命傷を与えることは難しいそうです。逆にあのセイウチの大きな牙は北極グマを仕留めることが出来るには十分な長さと鋭さがあるので、北極グマはそのリスクの高さを知っていて、セイウチを襲う事は稀だそうです。性格は大人しいものが多いようなので、気は優しくて力持ち、的なイメージでしょうかね。
また、あの大きな牙はオス同士がメスを取り合うときの戦いにも使われるそうで、なんと100cmもあるという個体もいるそうです。そして戦いに勝ったオスのセイウチは複数のメスと家族と共にハーレムを形成するそうです。男性としてはなんとも羨ましい話ではないでしょうか。
水中で寝たり、食事の時に! 器用ぷりを発揮するセイウチくん!
セイウチは肉食で、色々な貝やタコなどの軟体動物、エビやカニなどの甲殻類を食べます。そして主食は二枚貝ですが、砂の中から見つけると勢いよく水を噴射して貝から砂を出し、中身を吸いだして食べます。手や指もないのに、二枚貝をから中身を取り出して食べることが出来るなんて! 器用ですね! さらに、セイウチには首の回りに、空気を溜めておける袋のような器官があり、海の中で寝る時にはその袋を膨らませることで、沈まずに寝ることができるのです。ちなみにセイウチは寝るのが大好きだそうで、群れで氷の上で寝ているそうですが、その群れの重さで氷が割れることもあるそうです。なんともユニークなエピソードですね。
見どころ、たくさんのセイウチに会いに行きましょう!
セイウチも、クジラと同じく人間の食物として乱獲されていた時代があり、地域によっては絶滅してしまったところもあるようです。グリーンランドでも、現在では限られたイヌイットたちだけに猟が許されています。狩猟されたセイウチは食用や、その他余すところなく利用されているわけですが、中でも面白いのは、地域によってはアザラシの胃の中に残っている、貝やその他の食物が珍味として重宝されているという事です。なかなか想像がつかない食事情ですね。旅行者がその珍味を味わえることは珍しいでしょうが、セイウチの見どころはたくさんありますので、是非見て楽しんで頂きたいです!
参考
https://visitgreenland.com/about-greenland/animals-of-greenland/
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