少し前、グリーンランドの西部沖にある村に、高さおよそ100mの巨大な氷山が迫っているというニュースが流れたのをご存知ですか?
その光景は、まるで合成写真か映画にでてくるワンシーンのようでした。
巨大な氷山のすぐ目の前には、村人が暮らす家が。そして氷山と家のサイズ感の違いといったら! 家が、まるでミニチュアのように見えたほどでした。
この時、氷山が崩落することで大規模な津波の発生が懸念されたことから、沿岸部の住民は高台へ避難したそうです。そんなニュースを見てから10日前後。あれからどうなったかと気になり調べてみたところ、氷山は崩落することなく無事に南下し、村からは離れたとのこと。ほっと胸を撫で下ろしました。
でも、もし万が一氷山が崩落して津波が起こってしまっていたら、ひとたまりもないでしょう。
ニュースになった氷山の重さは約1100万トン。目視できる氷山の大きさはスタジアム程の大きさですが、これはあくまで海面上に出ている部分のみ。海面の下には、氷山の約80~90%が隠れているのです。私たちが目にするものは、まさに氷山の一角にすぎないのです。
最近では、氷山が居住区に近づくことはよくあること、として村民は捉えているんだとか。しかし、今回のようにここまで巨大な氷山が押し寄せたことは、さすがに今までなかったそう。
そもそも何故、あんなに巨大な氷山が、陸地のすぐ近くまで流れ着くようになってしまったのでしょう。
それには地球温暖化が強く影響していました。
そう、今グリーンランドの氷が、ものすごいスピードで急速に溶けだしているのです。そしてその影響は、遠く離れた日本にも多大な影響を及ぼします。今この瞬間も起きている気候変動。地球が叫ぶ悲鳴を私たちは、どれだけ感じとれているでしょうか。
他人事じゃない温暖化
今年の夏は、尋常じゃない暑さで体がクタクタになってしまっている方も多いのではないでしょうか。人の体温をも超える気温が連日続く今年の夏。どうかこの暑さが今年だけでありますようにと願わずにはいられません。今年の暑さは「やっと30度まで下がった」とほっとするほど。
温暖化で地球はこれからどうなってしまうのでしょうか。
氷が溶けると、どうなるのか
人間さえも溶けそうな暑さ。氷はもちろんかなりのスピードで溶け出しています。グリーンランドを覆う氷河の年間流出量は、10年で約2.5倍になったとNASAが発表しています。気候変動により、この100年でグリーンランドの氷河から氷山への分離は増加傾向にあります。そう、まさにこれこそ今回起こったグリーンランドの事件だったのです。氷河が溶けだし、氷山に分離するときには高波がおき、津波となる危険があるのです。
美しいグリーンランドを守るために
氷が溶けだしている今、氷河が分離して氷山になることは、今後さらに増えるだろうと予測されています。
自然の雄大さや美しさを教えてくれるグリーンランドは、時に自然の猛威を遠く離れた私たちにも伝えてくれます。
日本での毎日の暮らしは、日本だけでなく世界の災害のニュースが絶え間なく流れ、少し麻痺してしまっているのかもしれません。
グリーンランドで起こる、地球最大規模の自然現象は見るものの心を動かすと言われています。グリーンランドで起こっているこの大きな変化を、自分事として是非捉えてみていただきたい、そう願ってやみません。
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