大自然だけじゃない。グリーンランドの芸術をその目に焼き付けよう

グリーンランドの魅力は? と聞かれたら、あなたはなんと答えるでしょうか。

オーロラやフィヨルド、氷山などの大自然を間近で見れたり
クジラやアザラシ、ジャコウウシなどの生物の息吹を五感で感じることができたりすることは、
グリーンランドだから出来るとても貴重な体験です。
そしてそれと同時に、大きな大きな魅力であることは間違いありません。

でも、グリーンランドって
大自然だけじゃないんです。

デザイン性の高い毛織物や工芸品の数々が、世界的に注目されるほどのレベルだということは、意外とみんなが知らない事実。
でも、「北欧デザイン」と言えば、きっとみなさんも馴染みがあるはず。
知らない間に、北欧の暮らしやデザインを、日本での暮らしに取り込んでいる方も少なくないのではないでしょうか。
グリーンランドで手芸や工芸が発達していった背景には、「家で過ごす時間が長い」という環境が大きく影響しています。

というのも、グリーンランドは秋から冬までの日照時間が短く、前回お伝えした11月下旬から1月下旬までの2ヵ月間ほどの極夜。そしてその前後の期間も、日の入り時間は夕方16時前。

夜の時間が長いということは、必然的に家で過ごす時間が長くなりますよね。

そんな時、家の中でも出来ることが手芸や工芸だったのです。
グリーンランドに住む人々は、家で過ごす時間をより楽しく快適なものにするために
「シンプルで飽きのこないデザイン性の高さ」、そして「機能的かつ長く使うことができる実用性の高さ」を追求していきます。

屋内でもワクワクした気持ちと心地よさを忘れない為、色使いや工夫を続けた結果、それは高度で洗練されたものになっていったのです。

伝統衣装の色鮮やかなアノラックと呼ばれる毛織物や、ハンドメイドのカミックと呼ばれるブーツを身にまとう姿は、雪原の中で見るとはっとするほどの美しさ。

厳寒のグリーンランドでは、自然との共存という思想から必要以上の狩りはせず、狩った獲物は隅々まで無駄なく利用してきました。例えば、皮は毛皮として、肉は食品として、そして角は工芸品へと、使えるところは全て利用してきたという歴史があります。
その工芸の世界は常に新しく斬新でありながら、美しさに目を奪われます。

日本でもグリーンランドの伝統文化を取り入れることは可能ですが、現地で自分の目で、耳で感じて初めてわかる魅力があることは、きっとみなさんもおわかりのはず。

そして、実際グリーンランドを訪れないと見ることのできない物があるというのも事実。
実は、輸出規制がありグリーンランドから持ち出せないものが一部あるのです。
グリーンランドの人々は、そこに暮らす動物たちを、人間と同等もしくはそれ以上に大切な存在として扱っています。
この決まり事からも、「グリーンランドの人々の動物に対する想い」を感じずにはいられません。

もちろん全ての工芸品が持ち帰れないわけではありません!
輸出規制についてはお店の方に確認の上、
ぜひ、お気に入りの美しい工芸品、アクセサリーを旅のお供にお持ち帰りください。

グリーンランドだから見ることができるもの。それは大自然だけではありません。
その手で、その目で、その耳で。
その美しさと伝統に、実際に触れることが出来たとき。
きっとますます、グリーンランドの虜になってしまうことでしょう。

みどり
みどり 27記事
グリーンランドの魅力についてコラムを書くことになりました! 今すぐグリーンランドへ旅立ちたくなるような記事、どんどんアップしていきます(*^_^*)