グリーンランドで見られる北極圏の野生動物

グリーンランドは氷冠に覆われてはいますが、野生動物の生息範囲は人間よりも広いです。

フィヨルドは陸生動物に対して同等の障害となっているわけではなく、トリであればフィヨルドも海も山も飛んで超えることもできますし、海洋動物であればよりグローバルな境界のないエコシステムの中で生きています。

グリーンランドの８０％が氷冠で覆われているという事実はもっぱら大きな障害のように思われますが、動物たちにとってはそこまで大きな脅威とはなっていないようです。

ホッキョクグマ、ジャコウウシ、ホッキョクギツネ、野うさぎ、鷲、ライチョウ、レミング、そして時にはツンドラオオカミはみな、グリーンランドの陸生動物です。

ツンドラオオカミはグリーンランドの最北端地域にしか見られず、レミングは北東グリーンランドに生息しており、ここは氷床と浮氷の間にある場所でほとんど植生はありません。他の動物はもっと広くグリーンランド中に生息しています。

ジャコウウシはカンガルッスァックに集中しており、氷河の周りの山に一万頭以上が生息しています。西海岸沿いと東海岸にはトナカイの群れが分布する場所があります。毎年内陸部と海岸沿いを餌を求めて移動しており、夏になると氷冠近くで繁殖します。

陸と海の間はホッキョクグマの生息地です。このグリーンランド特有の白熊は海で餌を取る場合は北と東グリーンランドで多く見られ、浮氷に乗って東海岸から南へと向かいます。グリーンランドのホッキョクグマはアザラシや鳥を獲物とし、夏場には草木も食べます。冬も通常は冬眠しません。

メスのライチョウは夏と冬の間で色を変え、季節に関わらずうまく天敵からカモフラージュができています。それでも特に白鷲や鷹はライチョウの脅威となっています。

グリーンランドには様々な鳥が生息しており、それぞれ名前もユニークです。小さいものではユキホオジロ、マヒワ、スズメからウミガラス、ツノメドリ、ウミスズメ、アジサシ、ミツユビカモメ、カモメ、カラス、フクロウなど、他にもよく知られた種類の鳥がおり、それぞれ縄張りを持っています。

他にも種類を挙げるとしたら北部に生息するハシグロアビ、フルマカモメ、鵜、ガン、ケワタガモ、アイサ、シギ、サンドラン、キョウジョ、トウゾクカモメも見られます。それぞれの動物の名前の多彩さは各動物の多様性とうまくマッチしています。

グリーンランドの海洋動物に関して話す時、特段の理由なく一番スポットライトを浴びるのはクジラでしょう。彼らはクルーズ船や地元民を載せたセイリングで簡単に見ることが出来るからかもしれません。

ザトウクジラの跳ねや狩りの対象となるシャチ、海氷のひび割れに突っ込もうとするイッカクなどはほんの一握りで、ミンククジラ、シロクジラ、シロナガスクジラ、マッコウクジラ、フィンクジラ、そしてもちろんグリーンランドクジラもいます。

しかし、それだけではなくアザラシの種類も豊富で、ゴマフアザラシ、ズキンアザラシ、アゴヒゲアザラシ、グリーンランドアザラシ、そしてホッキョクグマの大好物であるフイリアザラシなどが有名です。

大型動物には、１トンにもなることもあるセイウチもいます。牙の大きさは５０ｃｍにもおよび、漂う海氷に彼らがどっしりと重々しく乗っているのを見逃すことの方が難しいほどです。しかしセイウチは海の中では素早く泳ぐことができ、巻き貝や二枚貝を取って食べています。

これらに加えて魚や貝類の種類も豊富で、最も重要なもので言うと、タラ、エビ、カニ、オヒョウ、メバル、ダンゴウオ、サケそしてアンコウに隠れて北極のイワナもいます。彼れはみな大きな食物連鎖の一部をなしており、グリーンランドの人々もこの連鎖に含まれています。今日でも、漁業はグリーンランドの主な収入源です。

グリーンランドの野生動物の中でもそこまで野性味が強くないものは、狩りや農業において重要な役目を持っているものもいます。

グリーンランドにそり犬が我々の先祖と現れたのは４０００年以上も前であり、彼らは数十年前まで南部を除きグリーンランド中の移動手段として活躍してきました。今日では犬ぞりは冬場の移動手段であると同時に冬季ツアーの目玉でもあります。

グリーンランドの南部では１０００年もの間、農業の伝統として馬が役畜として活躍しており、また牧場周りの山々にうろうろしている羊をまとめるのにも使われています。

グリーンランドの動物事情で、現代的な側面を持つのは大きな街でのペットの出現です。小型犬や猫、ハムスター、チンチラ、そしてカナリアなどの熱帯原産の鳥です。それでももちろんグリーンランドの野生動物は多様性に富んでいます。

グリーンランドの野生動物はクジラ、ジャコウウシ、トナカイ、北極の野うさぎ、ホッキョクギツネなどを誇っており、これらは年中楽しむことができます。またグリーンランドでの繁殖地も注目してみると良いかもしれません。そして鳥に関しては６０もの種類がグリーンランドで繁殖しています。

グリーンランドには整備された道というものがないので、どこに行くかということをしっかりと持っていないといけません。特に必要事項もないので、どなたでも楽しむことが出来るでしょう。あなた自身のペースで楽しみましょう。

引用元URL
http://www.greenland.com/en/things-to-do/nature-experiences/arctic-wildlife-in-greenland/