グリーンランドで一番新しい町 ナーサック(Narsaq)

ムッセ(Musse)、マッカートニー(McCartney) そしてナーサック(Narsaq)のカウボーイたち

ムッセ、マッカートニーはアメリカのカントリーミュージシャンではありません(響きはそのような感じですが)。これらは馬の群れの呼び名であり、かつてアメリカの西部の町のように、これらの馬は牧羊や山の移動などに利用されていないときにはナーサックの家々に繋がれていました。

かつてほど馬の数が多いわけではありませんが、今でも羊牧場の農夫たちはキャトルランチングや農業の仕方から、自分たちを冗談を交えてカウボーイとよんでいます。
時が経つにつれて、多くの羊牧場の農夫たちは町へと移り住んでしまいましたが、依然として残る生い茂った草木、フェンスなどは依然としてこの地で放牧が盛んであることを示しています。ここは町の食料庫であり、じゃがいもやカブ、人参、レタスそしていちごを多く生産しています。

ナーサックの古代スカンジナビア人と家庭菜園

1960年のある日、家庭菜園のために新鮮な土を用意しようと地面を掘ったら、古代スカンジナビアの遺跡を偶然にも掘り当ててしまうという事件が起きました。羊たちが工場と隣り合った草をはみ、屠殺場があるような街のど真ん中での出来事です。工場の経営者は土以外にも古代スカンジナビアの工芸品などを一堀ごとに掘り起こし、しばらくしてすぐに、考古学者たちは町の中心であるこの地にかつてのロングハウスの跡を発見したのです。

このロングハウスはまさに赤毛のエイリークが現在カッシアースックが位置するドゥヌスルフィアルフィック(Tunulliarfik)フィヨルド端のブラッタフリード(Brattahlíð)へ移り住む前に住んでいたものと考えられています。そして1982年にナーサックで古代スカンジナビア人がグリーランドに入植して1000年記念の催しが開かれたのです。

  • ナーサックは人口の1598人の町です。
  • ここは1959年に創立された、グリーンランドで一番新しい町です。
  • 地元の旅客船業者がカシアル、ナーサースァック、 カコトックや イガリク経由でイチスルック(Itilleq)まで行くことができます。
  • ナーサックへ寄港するアークティック・ウミアック・ライン(Arctic Umiaq Line)社の旅客船は南部から西海岸をつなぎイルリサットまで向かいます。
  • 町の裏側にあるカッカスアーク(Qaqqarsuaq)という山は鉱床となっており、石採取愛好家や地質学に興味のある人を惹きつけています。
  • 町のミュージアムでは古代スカンジナビアに関する展示がされており、地元の石採取愛好家は自分で展覧会を開いており、世界でほとんど採取されないドゥッドゥピッツ(Tugtupit)という希少な鉱石を含んだ様々な鉱石や岩を展示しています。

 

鉱床でのハイキング

農業と合わせて、ナーサック周りでみられる古代スカンジナビアの歴史と風景には、南グリーンランド特有の風味が加わっています。

町の裏にある山や谷でハイキングをしてましょう。忍耐強いハイカーにとってはカッシアースック(Qassiarsuk)までのハイキングは南グリーンランドの代表的なハイキングコースであり、道中は羊牧場、エメラルド色の川、山肌、そして氷で満ちたフィヨルドを見ることができます。

もしグリーランドの鉱床に興味があるのであれば、ドュユロナス-ナーサック(Dyrnas-Narsaq)コンビナートを聞いたことがあるかもしれません。鉱床なんて南グリーンランドでの旅程に入っていないかもしれませんが、花崗岩、砂岩、溶岩にドゥッドゥピッツと呼ばれる、色が変わる純宝石は、全てグリーランドに残る山の宝物です。

ナーサックの自然に近づく

ナーサックにいると、地元の人々が自然との触れ合いを大事にし、それこそがこの町の価値であると考えていることに気がつくでしょう。ハンティングは町からハイキング圏内の場所で行われており、これは他の南グリーンランドや西グリーンランドでは一般的なことではないのです。また、川は釣りに適しています。

5月には町の人々がある川に集まり、旬の北極サケを捕るという催しがあります。これは世界の別地域では、最初のじゃがいもを収穫するのを大切にしたり、最初のボジョレーが作られるのと祝うのと同じような感覚です。
北極サケは地元の市場で高値で取引されており、これはグリーンランド特有ですが、このようなイベントは他の地域よりもかなり重きが置かれています。これに比べれば、デンマークの著名な作家であるヨーン・リエル(Jørn Riel)がかつて住んでいた家が依然としてそこに建っているという事実よりもよっぽど重要なのです。

 

アクセス手段

カンガルッスァック(Kangerlussuaq)の国際空港からナーサースァック(Narsarsuaq)まで飛び、そこからエアーグリーンランド社(Air Greenland)のヘリコプターでナーサックへ行くことができます。夏にはナーサックまで、ナーサースァックから国際線でいくことができますエアーグリーンランド社、エアーアイスランド社(Air Iceland)、共に運行)。アークティック・ウミアック・ライン社(Arctic Umiaq Line)の旅客船で向かうという方法もあります。ナーサースァックからナーサックまでヘリコプターで約15分、ボートでは3時間ほどです。南グリーンランドの他の町にも出かける場合にはアークティック・ウミアック・ライン社の旅客船を使うか、プライベートの旅客船を利用する方法もあります(詳しくは地元の旅行代理店にお問い合わせください)。

アークティック・ウミアック・ライン社は海岸線の他の町へも就航しており、北はイルリサット(Ilulissat)まで向かうことができます。夏は特に早めにチケットの予約をするのが懸命です。ブルーアイスエクスプローラ社のウェブサイトから時刻表の確認やチケットの購入ができます。また夏の間はカコトック (Qaqortoq)、ナーサック、ナーサースァックの旅行代理店でもチケットが買えます。

引用元URL
http://www.greenland.com/en/destinations/south-greenland/narsaq/

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