東グリーンランドに位置する、「イットッコットーミー」という町。ご存知でしょうか。西半球最果ての地と言ってもいい、究極の奥地です。今回は、人口373人というこのイットッコットーミーへ行くために、乗り越えないといけない、困難についてご紹介するとともにこの困難を超えても体験したいことをご紹介をしましょう。
目的地にたどり着く方法はどれも過酷
グリーンランドの玄関口となるレイキャビクの国内空港から、イットッコットーミーまでの移動手段において、もっともラッキーなのはヘリコプターの定期便を利用する事。でももし、それが出来なかった場合は、1.ヘリコプターをチャーターする、2.スノーモービル 、3.犬ぞり 、4.ボートという選択肢が残されています。スノーモービルを利用した場合には氷点下で2時間の旅をすることになりますが、その際に見た日没はこの世の物とは思えないほどの経験だったという話を聞いたことがあります。ほら、もう、ヘリコプターで行かない方がいいような気もしてきませんか?
旅の計画はあってないもの
グリーンランドへの旅は、その気候や土地の特徴から、エキスパートのエージェントに相談する必要があります。そして、数々のアドバイスを聞いたあと、必要なものは全て持って行こうと思うでしょう。でも実際に行ってみたら、必要なものは現地に揃っていた、なんてこともあったりするんです。最果ての地でも、欲しいものが手に入る幸せ! ただ、そこは天候や輸送状態にもよります。余り期待せずに準備は怠らない方がいいでしょうね。
侮ってはいけない、その寒さ
日本、それも本州に住む私たちは、寒さを経験するといっても、せいぜいマイナス3度くらいまでじゃないでしょうか。そこへいきなりマイナス25度の世界へ旅するんです。これは、ちょっと想像を超える世界ですよね。一体何を防寒着として持って行けばいいのか……。実際にインタビューしてみると、サーモボディースーツ1枚、サーモトップス1枚、ジャンパー1枚、フリース2枚、ソックス2枚、タイツ1枚、ロングスパッツ1枚、スキーパンツ1枚、ダウンジャケット1枚、フルフェイスマスク1枚、帽子1枚、フード付きダウンジャケット1枚、スキーマスク1枚、ショール1枚、全体にフード1枚、グローブペア2枚、お借りしたムーンブーツのシープスキン裏地1枚。これでも足りませんでした。そして、これを着たまま、トイレに行くときの面倒さは……、おそらく想像通りでしょう! でもその寒さを乗り越えてでも、感じることのできる感動をお伝えしたいと思います。それは、温泉! この寒さを感じながら入る温泉はまさに天国です。ただ、残念なことに、温泉の湯量は年々少なくなっているとのことですから、行くなら急いだ方が良さそうですね。
ここでしか食べられないものを食す。
グリーンランドのような最果ての地でグルメの楽しみなどあるのか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。でもあるんです。グリーンランドでしか食べられないものが。それは、ジャコウウシ、アザラシ、クジラ、セイウチなどの食肉、イッカクの皮を使用した調味料などです。 グリーンランド政府はこれらの食材の輸出を禁止しており、グリーンランド内だけでしか食べられない物です。ただし、レストランと呼んでもいい、食事処は、イットッコットーミーには一つしかありません。そして常に食材があるわけでもないことにも注意しないといけないですね!
さて、なかなか厳しい状況の揃った環境ですが、これらを乗り越えても行くべき理由はまだあります。次回の記事にも是非期待しておいてくださいね。
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