この季節大忙し！ サンタさんの相棒、トナカイの生態を知ろう！
冬の一大イベントと言えば、クリスマスですね。サンタクロースの故郷は諸説ありますが、実はグリーンランドもその一つ。サンタクロースが大忙しのこの季節、大事な相棒は、トナカイです。あの、働き者のトナカイは普段はどうやって過ごしているのか？
ご紹介しましょう。
季節によって快適な場所を探して、群れで大移動
トナカイは、春と秋に食料を求めて大きな群れで、大移動するそうです。トナカイはシカ科の動物ですが、シカ科の動物では珍しく群れで生活しているのが特徴。通常は数頭から数百頭の群れを形成していますが、移動時には何万頭になることもあるそう。その季節に見ることが出来れば、この群れは見ごたえがありそうですね。
では一体何のために移動しているのか？ その大きな理由は、食料です。トナカイはなにを食べるのかというと、コケ類や草木、ベリーなどですが、このような大きな群れで移動しているので、食料はすぐになくなってしまい、更なる餌場を求めて移動し続けるそうです。その距離は、1日で20-50キロほど歩くそうですから、驚きですね。
ただ、草木を食べつくすと言っても、根元を残して食べるそうで、次の季節が来るときちんとまた生えて来るそうです。自然にこういったサイクルを作れるとは、私たちも学ぶところがありそうですね。
大きな角とするどい蹄は、極寒の地に適した特徴があるんです！
トナカイと言えば、あの木の枝のような角が特徴的ですね！ 無駄に大きいように思ってしまいますが、実はちゃんと生きるために必要なんです。極寒の地で、氷に覆われた大地を掘り返して餌となるコケや草を掘り起こすのには、蹄やあの大きな角が必要不可欠なんですね。実はあの角は、オスとメスによって生え方が違うそうです。
オスのツノは、春に生え、秋から冬は抜けます。逆にメスのツノは、冬に生えて、春から夏に抜けます。ということは、サンタさんの相棒であるトナカイは、メスである可能性が高そうですね。でも、さらに言うと、去勢されたオスも角が抜けないそうで、ひょっとすると、そっちの可能性もあったりするんでしょうか……。
トナカイの繁殖期と家族構成
トナカイの繁殖期は10～11月ごろ。 繁殖期になるとオスの喉頭部の毛が長く伸び、体が戦いの準備に備えます。
オスはメスを巡って争い、その戦いに勝ったオスが複数のメスと交尾する権利を獲得します。その数は5～２０頭ほど！ 凄いハーレムですね。羨ましいと思う男性もいるかもしれません……。
そして、メスは８か月ほどの妊娠期間を経て、春から初夏に一匹出産します。子どもは産まれて数分で立ち上がり、翌日には母親と共に移動できるようになるというから驚きですね。そして子供の成長も早く、子どもは1ヵ月半程で離乳し、1年程で親と同じほどの大きさに成長する。雌雄共に2年程で成熟し、この頃には枝のある角が生えはじめるそうです。人間の子供とは大違いです。羨ましいような、寂しいような気持ちになるお父さんお母さんもいることでしょう。
動物も人間も子供はとっても可愛いものです。トナカイの子供が見られる時期に合わせて旅行プランを立てるのもいいですね。
家畜として、人間とともに生きるトナカイも。
野生でも多く生息するトナカイですが、家畜としての歴史も長いようです。肉は食用に使われ、その皮は衣類や靴などに利用で来て、メスのミルクは飲み物として利用されるようです。さらに角を粉末にして薬として用いることもあるそうで、本当に余すところなく利用されているんですね。現地の観光ツアーや、ホテルでもトナカイのステーキはメニューにありますから、グリーンランドを訪れた際には是非食べてみてくださいね。
恥ずかしがり屋のトナカイを近くで見るには？
恥ずかしがり屋というと可愛い感じがしますが、トナカイはとても警戒心が強く、突然の音や動き、そして見知らぬ人の匂いにすごく敏感なのです。トナカイの写真を撮りたいと思ったり、または単にトナカイに近づく場合でも、トナカイがあなたの匂いに気づかなくするために、風下から近づくことをおススメします！ もしトナカイがあなたの匂いに気づいたとしたら、全速力で逃げられてしまうでしょう。
トナカイの足はとても速く、時速70キロものスピードを出すことが出来るそうです。ただし、大きな群れで行動している時は、少しリラックスモードになるそうですので、草木を食べている自然な姿を見たり、トナカイの動きを楽しんでみることが出来そうですね。また、グリーンランドでは、前回のジャコウウシ同様、冬になると、カンゲルルスアークの町周辺に現れますので、運がよければ、目撃し、撮影できるチャンスも大いにありますよ！
参考
https://visitgreenland.com/about-greenland/animals-of-greenland/
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