前回に引き続き、グリーンランドも舞台になった映画「Life!」より、映画の中のグリーンランドのシーンで、ブーツ型のジョッキでビールを飲んでるシーンが印象にのこっていて、主人公が思わず小さい方を注文する巨大すぎるブーツジョッキ。もしや、グリーンランドではものすごくお酒が美味しいのかしら? ということで、今回はグリーンランドのお酒についてお届けします。
氷山が溶けた水で作るお酒
温暖化でグリーンランドの氷床が溶けている、という話を聞くと、私たちの生活を見直さないといけないというような、ちょっと暗い気持ちになってしまいそうですが、今回は、この氷が溶けた水が、美味しいモノづくりに一役買っているという事実があることをお伝えします!
最初にご紹介するのは、グリーンランドにある、ビール醸造所GodthåbBryghu。美味しいビールやアルコール飲料を作るのに、大事なポイントは「水」です。この醸造所で使う水は、グリーンランドの土地を覆っている氷が解けて出来た水が100%使用されています。この水はとても純度が高く、ヨーロッパやドバイなどの高級レストランに販売されていたり、一流のお酒を蒸留するために使われているのです。これだけ聞いても、期待が高まりますね。
この醸造所では、バイキングの伝統あるブラウン・エールとブリティッシュタイプのペール・エールの2種類を造っています。グリーンランドの原住民であるイヌイット系のオーナーは、「氷河水以上にきれいな水は他にない」と断言しているそうで、自信満々ですね。ここで作られたビールは船でドイツに送られ、そこで瓶詰めされてドイツ国内でも売られています。その道中の船に揺られてビールが熟成されるという話も、興味深いですよね。
グリーンランドのスピリット
アイスフィヨルド社が作る、アイスフィヨルド ジンは、グリーンランドで18万年間を氷として過ごしてきた氷山から採取したとても純粋でとてもなめらかな水と、ジュニパーベリー、レモングラス、アンジェリカの根、カルダモン、オレンジなど品質に優れた12種類のボタニカルを使用して造られています。アイスフィヨルド社いわく、 “これはドライ・ジンではありません。あなたがこれまでに見つけることが出来る中で最もスムースなジンでしょう。全く新しいスムースなジンの世界へようこそ!”
なんという自信でしょうか。グリーンランドの自然がこのような自信をつけてくれるんでしょうか。
そして、このジンは、2012年にイギリスのインターナショナル・スピリッツ・チャレンジにてシルバー賞を受賞しているのです。ただの自己満足ではないのですね。是非飲んでみたいです。
そのほかにも、氷が水になる前にウォッカになったと言われる世界唯一のウォッカ「Sïku」やその他にも多彩なブルワリーがあります。
もともと歴史的にはグリーンランドでは飲酒の習慣があまり無かったそう。グリーンランドで造られるお酒はドイツをはじめ、ヨーロッパで飲まれる為に造られていたようですが、ここはやはりダイナミックな景色を楽しみつつ、氷河水でできたお酒を楽しむ。そんな旅も楽しそうですよね!
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