分厚く広大な海氷の上を、白く大きな体で悠々と歩く姿。
海に入れば、想像を超えるほどの優雅さで自由に泳ぐその姿。
「ホッキョクグマ」または「シロクマ」と呼ばれる彼らを、あなたは自然界で目にしたことはありますか?
残念ながら筆者は、彼らを見たことがあるのは動物園でのみ。
自然界で生きるホッキョクグマの暮らしとはどんなものなのでしょうか。
そして、北極圏で暮らすホッキョクグマたちの命のバトンが、今少しずつ、危機にさらされ始めています。
その主な原因は、そう。「環境汚染」。
「環境汚染」や「地球温暖化」って、今や誰もが聞いたことがある言葉。
しかし普段生活しているだけでは、今いち実感にかけるというのも否めない事実です。
ホッキョクグマと、環境汚染。これから数回に渡り、お伝えしていきたいと思います。
本日はまず、知ってそうで知らないホッキョクグマの生態についてお届け致します。
ホッキョクグマの生息地域
ホッキョクグマの主な生息地域は北アメリカ北部やユーラシア大陸北部ですが、更に北の北極圏や流氷圏にまで広範囲に渡ります。グリーンランド南端やアイスランド南部、カナダのハドソン湾、ジェームス湾、ニューファンドランド島辺りまで生息が確認されています。
超越した移動距離
ホッキョクグマは、獲物を求めて広い範囲を移動するだけではなく、冬には流氷の南下と共に南へ移動し、夏には氷のある北へと移動します。時には流氷に乗り何百キロもの距離を移動することも。中には、アラスカからグリーンランドまで5,000kmを超える距離を移動したホッキョクグマも確認されています。
寒冷地で生き残る体のしくみ
氷の上で生活し、悠々と海を泳ぐ姿が印象的なホッキョクグマ。彼らが寒冷地で暮らせるのは5㎝程の下毛と15㎝程の上毛からなる体毛に守られ、皮下脂肪を多く蓄えているから。更には体温の低下を防ぐため、足の裏にも毛が生えています。生活する場所に適応した体の作りになっているというわけですね。
主な食料は?
雑食性ですが他のクマに比べると肉食性が強く、主にアザラシ類や魚、トナカイなども食べます。力が非常に強く、セイウチなどを倒すほどのパワーを持っています。氷が解ける夏には、海草や陸の植物、海鳥やその卵も食べます。
鋭い嗅覚
ホッキョクグマの特筆すべき点の1つに、この「鋭いき嗅覚」が挙げられます。なんと、1.5kmも離れた場所にいる獲物の臭いをかぎ分けられると言われています。アザラシを襲う時は、忍び寄って飛び掛かったり待ち伏せをして襲うほか、巣穴にいるアザラシを得意の嗅覚で探しだし、氷を掘って襲うこともあるのだそう。巣にいても安全とは限らない自然界。まさに弱肉強食の厳しい世界です。
泳ぎのプロ
大きな体と体毛に覆われた見た目からは想像のつかない優雅な泳ぎを見せるホッキョクグマ。なんと陸から10kmも離れたところを泳いでいたりするそう。泳ぎの速度は時速4~6.5km程度。かなり長い時間泳ぎ続けることが出来ると言われています。
まだまだまだまだありますが、本日はここまで。
でも……知ってました? 実はホッキョクグマ、共食いもあるんです。
気になる真相は次回。
動物園ではなく、大自然の中で生きるホッキョクグマを是非一度この目におさめたいものです。
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